タンザニア大統領選、現職のハッサン氏が勝利、暴動続く
最大都市ダルエスサラームを含む多くの都市で与党・タンザニア革命党(CCM)とハッサン氏に抗議するデモが暴徒化し、この3日間で10人が死亡したと報告されている。
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アフリカ東部・タンザニアの選挙管理委員会は1日、大統領選挙の結果を公表し、得票率97%超で現職のハッサン(Samia Suluhu Hassan)大統領が勝利した。
最大都市ダルエスサラームを含む多くの都市で与党・タンザニア革命党(CCM)とハッサン氏に抗議するデモが暴徒化し、この3日間で10人が死亡したと報告されている。
投票は10月29日に行われ、その日にデモが激化。当局はインターネット通信を遮断し、政府は全国に夜間外出禁止令を発令している。
ハッサン氏はほとんど知られていない16人の候補の挑戦を受けた。
一方、主要野党2党の候補は立候補を禁じられた。
ハッサン氏の最大のライバルである野党指導者トゥンドゥ・リス(Tundu Lissu)氏は今年4月に逮捕され、国家反逆罪で起訴された。
野党はこの選挙を「茶番」「戴冠式」と呼び、支持者に抗議デモを継続するよう呼びかけている。
欧州議会は10月30日の声明で、「タンザニアの選挙は自由でも公正でもない」と非難。同盟国に対し、民主主義と人権を守るために断固として立ち向かうよう求めた。
暴動は全土に広がり、政府は大学の授業再開を3日に延期した。
当局は暴動の死傷者数を公表していない。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はダルエスサラームなどの都市で治安部隊の取り締まりにより10人が死亡したという信頼できる報告を受けたと発表した。
インターネットが遮断された結果、航空便はすべて欠航となっている。現地メディアによると、多くの海外旅行者が空港で立ち往生しているという。
与党CCMは1961年の独立以来、同国を統治している。
最大野党CHADEMAはリス氏の裁判を「弾圧」と呼び、「司法がCCMの圧力に屈した」と非難してきた。
リス氏は2017年の暗殺未遂事件で16発の銃弾を浴びながらも生還。2020年の大統領選で与党候補に敗れた。この暗殺未遂事件は未解決で、誰も逮捕されておらず、CHADEMAはCCMが暗殺者を送り込んだと主張している。
