◎故マグフリ前大統領は選挙期間中の集会を全面的に禁じていた。
タンザニアのハッサン(Samia Suluhu Hassan)大統領は3日、前任の故マグフリ(John Magufuli)氏が6年前に課した政治集会禁止令を解除した。
ハッサン氏は昨年の就任時、和解・回復・改革・再建イニシアチブの一環として禁止令を解除すると約束していた。
ハッサン氏は声明で、「政党の集会を開く権利を認めるが、礼儀正しく、ライバルを侮辱したり中傷しないことが重要だ」と強調した。
マグフリ氏は選挙期間中の集会を全面的に禁じていた。
マグフリ氏は汚職を拒絶し政治から無駄を省くことで有権者の支持を集めたものの、野党議員を力でねじ伏せ非難されることが多々あった。
野党はハッサン氏の決定を歓迎している。
野党指導者のムボウ(Freeman Mbowe)氏は3日、「禁止令の解除は民主主義とタンザニアの憲法を回復する取り組みのひとつであり、大いに評価する」と声明を発表した。
ムボウ氏は2021年7月にテロを企てたとして逮捕されたものの、検察が起訴を取り下げ、昨年3月に釈放された。
ムボウ氏の逮捕後、改革を約束したハッサン氏の取り組みに疑問の声が寄せられていた。
AFP通信は他の野党幹部の話を引用し、「禁止令解除は前進であり、集会は国民の権利のひとつだ」と報じている。
一部の野党は憲法改正を要求するか否かを検討するとしている。
野党は現行憲法が大統領にあまりにも大きな権限を与えていると非難している。また、選挙管理委員会と司法の独立を保障するための変更も望んでいる。
ハッサン氏は半世紀以上にわたって政権を維持してきた与党CCMの党首である。
CCMはしばしば選挙の不正操作、野党への嫌がらせ、脅迫などで非難されてきた。しかし、CCMは疑惑をすべて否定している。