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タンザニア最大野党、大統領選の結果を拒否、抗議デモ続く

投票は10月29日に行われ、その日に抗議デモが激化。当局はインターネット通信を遮断し、政府は全国に夜間外出禁止令を発令している。
2025年10月29日/タンザニア、ザンジバルの住宅地、政府に抗議するデモ参加者(AP通信)

アフリカ東部・タンザニアの最大野党CHADEMAは2日、先月末に行われた大統領選の結果を拒否し、支持者に抗議デモを継続するよう呼びかけた。

選挙管理委員会は1日、選挙結果を公表し、得票率97%超で現職のハッサン(Samia Suluhu Hassan)大統領が勝利したと発表した。

投票は10月29日に行われ、その日に抗議デモが激化。当局はインターネット通信を遮断し、政府は全国に夜間外出禁止令を発令している。

ハッサン氏はほとんど知られていない16人の候補の挑戦を受けた。

一方、CHADEMAを含む主要野党2党の候補は立候補を禁じられた。

ハッサン氏の最大のライバルであるCHADEMAの指導者トゥンドゥ・リス(Tundu Lissu)氏は今年4月に逮捕され、国家反逆罪で起訴された。

野党はこの選挙を「茶番」「戴冠式」と呼び、支持者に抗議デモを継続するよう呼びかけてきた。

CHADEMAは声明で、「この選挙結果は完全に捏造されたものである」と主張した。

また同党は、「CHADEMAは選挙委員会が発表した結果を強く拒否する。真の選挙は実施されなかったため、この結果は有権者の意思を反映していない」と付け加えた。

欧州議会も10月30日の声明で、「タンザニアの選挙は自由でも公正でもない」と非難。同盟国に対し、民主主義と人権を守るために断固として立ち向かうよう求めていた。

政府はCHADEMAの声明に関するコメントを出していない。

10月29日と30日の抗議デモは暴動に発展。一部の参加者がハッサン氏の横断幕を引き裂き、政府機関に放火した。

CHADEMAは治安部隊の取り締まりで数百人が殺害されたと主張。国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は最大都市ダルエスサラームなどで治安部隊の取り締まりにより10人が死亡したという信頼できる報告を受けたと発表している。

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