◎ロリオンドの「ンゴロンゴロ(Ngorongoro)保全地域」で生活するマサイ族は追放の危機に直面している。
タンザニア政府は22日、北部ロリオンドに不法滞在するケニア人マサイ族を取り締まると発表した。
ロリオンドの「ンゴロンゴロ(Ngorongoro)保全地域」で生活するマサイ族は追放の危機に直面している。
マサイ族はタンザニア政府が自分たちの領土の一部をサファリパークや私的な狩猟地にするために追放しようとしていると非難している。
政府はこの主張を否定し、ケニアとの国境付近に位置するンゴロンゴロ保全地域の土地4000㎢のうち1500㎢の自然を保護したいと主張している。
政府はこの1500㎢に区画用ビーコンを設置し、反対派と衝突した。6月10日の暴動では警察官1人が死亡している。
タンザニア内務省の報道官は記者会見で、「内相の指示により、ロリオンドとンゴロンゴロ保全地域に不法滞在する移民を取り締まる」と述べた。
マサイ族のコミュニティはケニアとタンザニアにまたがって生活しており、タンザニア政府はケニア人マサイ族がンゴロンゴロ保全地域のプロジェクト反対派を支援しているではないかと疑っている。
現地メディアによると、6月10日の衝突では治安部隊が実弾を使用し、デモ隊少なくとも30人が負傷、20人のマサイ族が逮捕された。
タンザニア政府はンゴロンゴロ保全地域のビーコン設置作業は終了したと報告している。
地元の人権NGOや活動家は政府の計画を「強制退去」と非難している。
国際NGOアムネスティ・インターナショナルは先週の声明で、「この計画は違法であり、その規模と残虐性の両方において衝撃的である」と述べた。
反対派は東アフリカ司法裁判所(East African Court of Justice)に提訴したが、報道によると、22日に予定されていた審理は「やむを得ない事情により」延期されたという。詳細は明らかにされていない。