◎3月17日に亡くなったジョン・マグフリ前大統領の国葬で群集事故が発生し、子供を含む5人の死亡を確認した。事故の詳細は3月23日に公表される。
2021年3月20日/タンザニア、ダル・エス・サラーム、故ジョン・マグフリ前大統領の国葬(AP通信)

タンザニアの地元メディアによると、3月17日に亡くなったジョン・マグフリ前大統領(享年61歳)の国葬で群集事故が発生し、子供を含む5人の死亡を確認したという。

当局者は死者はさらに増える可能性があると述べたが、事故の詳細は明らかにされていない。

最大の都市ダル・エス・サラームのウフルスタジアムで開催された国葬には数万人の市民が集まったと伝えられている。

ポピュリストのマグフリ前大統領はアフリカを代表するコロナウイルス懐疑論者の一人である。政府は前大統領の死因を心不全と発表したが、大統領選挙の不正疑惑を追及し暗殺されかけた元野党指導者はコロナの合併症で死亡したと主張している。

「ブルドーザー」の愛称で親しまれたマグフリ大統領は政策に反対する者を力で押さえつけ多くの批判を招いたが、汚職を撲滅すると誓約し政治家の無駄遣いを禁止したことで市民の支持を集めていた

群集事故に巻き込まれた家族の関係者はAP通信の取材に対し、「亡くなったスーザン・ムトゥア氏(30歳)は2人の子供と甥と姪を連れてマグフリ(前大統領)の追悼式典に参加しました」と述べた。「20日の遅くに連絡を受けスーザンと子供たちの遺体を確認しました。子供たちはマグフリ(前大統領)の追悼式典を見たいと言っていました」

当局者によると、狭いエリアに集まった何百人もの人々が将棋倒しになったという。政府は声明で、3月23日に死者の数を公表すると発表した。

2021年3月20日/タンザニア、ダル・エス・サラーム、故ジョン・マグフリ前大統領の棺を運ぶ兵士たち(AP通信)

マグフリ前大統領の後任、同国初の女性大統領に就任したサミア・スルフ・ハッサン大統領はアフリカの8人の国家元首と並んで国葬に出席した。

<国葬に出席した大統領>
ケニヤ:ウフル・ケニヤッタ
南アフリカ:シリル・ラマポーザ
コンゴ民共:フェリックス・チセケディ
モザンビーク:フィリペ・ニュシ
マラウイ:ラザリ・チャクウェラ
コモロス:アザリ・アスマニ
ジンバブエ:エマーソン・ムナンガグワ
ザンビア:エドガー・ルング

地域ブロック東アフリカ共同体(EAC)の議長を務めるケニアのウフル・ケニヤッタ大統領は、「私たちは大切な友人、兄弟、勤勉な労働者の死を悼みます」と述べた。「マグフリ大統領は外国の支援からアフリカの市民を解放できる可能性がある、と私たちに示しました。彼は経済を管理し、正義を貫くことでアフリカを変えることができると信じていました」

南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領はマグフリ前大統領を「真の汎アフリカ主義者」と呼び、アフリカに生まれたことを誇りに思っていたと述べた。「彼は汚職に立ち向かう戦士であり、市民のために働きました。また、彼は東アフリカの共通語であるスワヒリ語の擁護者でもありました」

ハッサン大統領は前任者を貧しい人々と宗教の擁護者と呼び、死を悼んだ。「彼は私たちの指導者であり、多くの市民の親であり、そして正直な人でした」

マグフリ前大統領は3月26日に埋葬される。

2021年3月20日/タンザニア、ダル・エス・サラーム、故ジョン・マグフリ前大統領の棺(AP通信)
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