◎4月3日、エバーギブン号の座礁で立ち往生していた最後の船がスエズ運河を通過し、交通渋滞は完全に解消した。
スエズ運河庁(SCA)によると、巨大貨物船エバーギブン号の座礁で立ち往生していた最後の船がスエズ運河を通過し、交通渋滞は完全に解消したという。
SCAは声明の中で、420万トンの貨物を積み込んだ85隻の貨物船が4月3日に運河を通過したと述べた。
全長400m、総重量20万トンのエバーギブン号は3月23日にスエズ運河のど真ん中でスタックし、400隻以上の貨物船やその他の船の運航に影響を与えた。
エジプト政府と運河当局は事故の調査を開始しており、来週初めに調査結果を公表すると伝えられている。
様々な関係者が座礁の解消、破損した岸の修理、その他の活動の費用を計上しており、一連の事故は複雑な補償問題に発展する可能性がある。
エバーギブン号救助チームは、船首と船尾付近の砂と泥、30,000トン以上を除去し、大型タグボート艦隊で連日連夜の大規模な牽引作業を行い、船を救助した。
3月31日に地元メディアのインタビューに応じたSCAのオサマ・ラベイ長官は、「封鎖に関連する損失の補填として、少なくとも10億ドル(約1,100円)は要求することになるだろう」と述べた。「エバーギブン号は船の所有者が補償金を支払うまでグレートビター湖を離れることはできません。約800人が救助作業に関わり、多くの費用を計上しました。彼らの多大な努力は必ず報われます」
一方、エバーギブン号の運航管理会社、バーンハード・シャルト・シップマネジメントは3日の声明で、「初期調査の結果、強風の影響でコースを外れ座礁したことが示された」と述べ、機械やシステムの故障の可能性を除外した。しかし、ラベイ長官は事故の主な原因は強風ではなく、「技術的または人的ミス」の可能性があると考えている。
ラベイ長官は以前の会見で、「スエズ運河は悪天候の影響で閉鎖されたことは一度もない」と述べていた。
SCAとエジプト政府は、今回のような事故に即座に対処できるバックアッププランの構築と、運河のインフラストラクチャーの増強を行うよう各国関係者から圧力をかけられている。
エバーギブン号には35億ドル(約3,900億円)相当の貨物が積み込まれているが、少なくとも数週間から数カ月はグレートビター湖を離れられないと伝えられている。同船の所有者は愛媛県今治市に本拠を置く船舶リース会社の正栄汽船、運航者は台湾を拠点とする大手海運会社のエバーグリーンマリン社。