◎西部ダルフール地方では今月初め、公式に飢饉が宣言された。
スーダン内戦の終結を目指す米国主導の和平交渉が14日、スイス・ジュネーブで始まった。
軍指導部は参加しないため、早期停戦が実現する望みは薄い。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、1万4000人以上が死亡、3万人以上が負傷したと推定されている。
被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連はスーダンの現状を「極限状態」と評し、停戦が実現しなければ今後数カ月以内に数十万人が餓死する可能性があると警告している。
今回のスイス交渉は暴力の終結、より広範な人道的アクセス、停戦の履行を監視するメカニズムなどについて協議すると期待されている。
しかし、軍指導部はすでに交渉に参加しないと表明しており、早期停戦の望みは薄い。
RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官は出席する予定だ。
内戦の影響で1000万人以上が避難を余儀なくされたり、住居を失ったりした。
さらに人口の半数以上が深刻な飢餓に直面。西部ダルフール地方では今月初め、公式に飢饉が宣言された。
国際的な人道・開発援助の非政府組織「ワールド・ビジョン」は6月、避難所などに身を寄せる75万人以上が今後数カ月以内に餓死する恐れがあると警告した。