◎スーダンの自国通貨は暴落を続け、インフレ率は200%に達し、食料と日用品不足が常態化している。
スーダン軍のダガロ(Mohamed Hamdan Daglo)副司令官は1日、軍事政権の統治失敗を認め、混乱が拡大するようであれば指導者を追放する可能性もあると警告した。
ダガロ氏は国営テレビのインタビューの中で、「スーダンが奈落の底に向かうのであれば、介入する」と述べた。
軍事政権を率いるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍は昨年10月のクーデターで政権を奪取したが、国家運営に失敗し、治安の悪化を招いた。
ダガロ氏は国際援助の停止とデモ隊に対する暴力が状況を悪化させたと指摘した。「状況は悪くなるばかりです。良い点もありますが、悪い点があまりにも多すぎるでのす...」
西側諸国と国際機関はスーダンに対する年間約20億ドルの援助を停止している。軍事政権に反対するデモの死者は110人を超えた。
ダガロ氏は2023年7月に予定されている総選挙にブルハン将軍が立候補することはないと断言し、「スーダンが奈落の底に向かっているのであれば、私は介入するかもしれない」と語った。
スーダンの経済はクーデターで完全に沈み、多くの専門家が「浮上は困難」と指摘している。
今年4月には西部ダルフール地方で部族間衝突が発生し、200人以上が死亡。数十年続いているダルフール紛争はこの暴力で活性化し、6月にはさらに120人以上が死亡したと報告されている。
独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)は2019年4月の無血クーデターで追放されたが、スーダンの自国通貨はその後も暴落を続け、インフレ率は200%に達し、食料と日用品不足が常態化した。
世界食糧計画(WFP)によると、食品価格は年初から60%近く上昇したという。
ブルハン将軍は先月、文民統制を確立するために軍事政権を解散させると発表したが、デモ隊は納得しなかった。
AFP通信は政府筋の話を引用し、「総選挙の前倒しもあり得る」と報じている。