◎この内戦はロシアによるウクライナ侵攻とガザ紛争の影に隠れ、ほとんど注目を集めていない。
アフリカ北東部・スーダンの内戦が始まってから14日で1年となった。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による紛争は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面している。
首都ハルツームは真っ二つに切り裂かれ、数百万人が南スーダンなどに逃亡。国連や他の人道機関の難民キャンプに身を寄せている。
国連によると、この内戦はロシアによるウクライナ侵攻とガザ紛争の影に隠れ、ほとんど注目を集めていない。
国連は先月、内戦が始まる前から危機的状況にあった西部ダルフールを含む戦地に食料を輸送できなければ、今後数カ月で約22万2000人の子供が餓死する恐れがあると警告した。
人道機関は戦地に到達できずにいる。アラブ系とアフリカ系部族の抗争が続くダルフールでは大量虐殺、拷問、レイプなどの残虐行為が横行している。
しかし、国際社会はスーダン内戦にほとんど関心を払っていない。
国連は今年、スーダンの人口約5100万人のほぼ半分にあたる2400万人に食料、医療、その他物資を届けるために、27億ドル(約2,000億円)を必要としている。
国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、これまでのところ、資金提供はわずか1億4500万ドルにとどまっているという。
国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は最近の声明で、「スーダンが無視されていることに衝撃を受けている」と述べていた。
国連によると、内戦の犠牲者は1万4600人と推定されている。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も全く立っていない。
800万人以上が家を追われ、国内外の比較的安全な地域や近隣諸国に逃れている。