◎国連はこの半年で1万人近くが死亡、数万人が負傷し、500万人以上が避難民になったと推定している。
北アフリカ・スーダンの軍政と準軍事組織による紛争が始まってから半年が経過した。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は4月中旬から首都ハルツームなどの支配権を争っている。サウジアラビアと米国が仲介した停戦合意は6月に失効し、多くの地域で戦闘が激化した。
ハルツームと姉妹都市オムドゥルマンでは広い範囲で市街戦が展開されているものとみられる。地元の活動家などによると、RSFは民家を徴用し、国軍に待ち伏せ攻撃を仕掛けているという。
オムドゥルマンの住民はAFP通信の取材に対し、「停戦の希望は日に日に薄れている」と語った。
国連はこの半年で1万人近くが死亡、数万人が負傷し、500万人以上が避難民になったと推定。実際の死者数はもっと多いとみられるが、被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も全く立っていない。
国連によると、ハルツームとオムドゥルマンの医療システムはほぼ崩壊し、多くの病院が閉鎖されている。
国境なき医師団(MSF)は15日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「スーダンの危機は同国の破滅的な失敗を象徴している」と書き込んだ。
それによると、慈善団体の援助には限界があり、国際社会による支援と停戦に向けた取り組みを加速させることが必要不可欠だという。
国際社会がイスマエル・ハマス戦争とウクライナ侵攻に気を取られる中、スーダンのNGOや慈善団体は生活に欠かせない食料・医療・水へのアクセスを確立するよう紛争当事者と国際社会に求めている。