◎160万人以上が国内避難民となり、約53万人がエジプト、南スーダン、チャド、エチオピア、中央アフリカ共和国、リビアといった近隣諸国への避難を余儀なくされた。
2023年5月16日/南スーダン、隣国スーダンの国境近くにある難民キャンプ(Sam Mednick/AP通信)

スーダン軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘に巻き込まれ避難を余儀なくされた市民が200万人を超えた。国際移住機関(IOM)が14日に明らかにした。

IOMはスーダンと近隣諸国で飢餓のリスクが高まっていると警告。西部ダルフール地方で「人道に対する罪」に相当する戦争犯罪が繰り広げられている恐れがあると非難した。

軍政とRSFは4月中旬からハルツームなどの支配権を争っている。最新の停戦合意は11日に失効し、多くの地域で空爆や銃撃戦が報告された。

人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、ハルツームの一部とダルフール地方で戦闘が激化。12日時点で民間人少なくとも959人が死亡、約5000人が負傷したという。

IOMは14日に公表したレポートで、160万人以上が国内避難民となり、約53万人がエジプト、南スーダン、チャド、エチオピア、中央アフリカ共和国、リビアといった近隣諸国への避難を余儀なくされたと報告した。

またIOMは戦闘が激化したとされる西ダルフール州の州都ジェネイナに入ることができず、犠牲者は増加する可能性が高いと警告した。

ダルフールにある病院の多くが4月の戦闘開始以来、サービスを停止しているようだ。

ジェネイナでは先週、RSFと同盟関係にあるアラブ民兵が市内で暴れまわったとされる。地元の活動家などによると、数百人が殺傷されたという。

国連はジェネイナの暴力を糾弾し、この地域における戦闘が新たな民族浄化に発展する可能性があると警告した。

2019年に失脚した独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)はダルフールのアラブ系部族を武装化し、ジャンジャウィードと呼ばれる武装民兵をこの地域に送り込んだと告発されているが、バシルはこの告発を否定している。

国連はこの紛争でアラブ系とアフリカ系部族、最大30万人が死亡し、270万人が故郷を追われたと推定している。

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