◎軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン軍政と激戦を繰り広げている準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が中部センナール州の最大都市を制圧し、紅海沿岸の都市ポートスーダンに向けて東進している。RSFが3日、明らかにした。
それによると、RSFの戦闘員は首都ハルツームの南方に位置するセンナール州の州都を制圧し、ポートスーダンに向かっているという。
軍政はこの主張に関するコメントを出していない。
国連によると、この町では先月末頃から軍政とRSFによる戦闘が激化し、6万人以上の住民が避難を余儀なくされたという。
RSFが2日に投稿した動画にはセンナール州中心部の公共放送局前で空に向かって銃を乱射し、喜ぶ男たちの姿が映っていた。
RSF報道官は3日、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「我々は国軍とその同盟者を破り、センナールの州都を支配した」と書き込んだ。
また報道官はそこで大量の兵器や装備を押収したと主張。「国軍は数百人に及び甚大な犠牲者を出した」と述べた。
軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が食料不足に喘ぎ、1万4000人以上が死亡したと推定されている。
国連によると、RSFは現在、ダルフール地方を含む同国西部の大部分を支配下に置いたとみられる。
国連のデュジャリック(Stéphane Dujarric)報道官は2日、「RSFと軍の戦闘が罪のない市民に大きな影響を与えている」と懸念を表明。「ここ数日の戦闘で子供や女性を含む6万人以上が避難を余儀なくされた」と述べた。
またデュジャリック氏はポートスーダンに戦火が拡大した場合、避難者の数はさらに膨れ上がる可能性があると警告した。