スーダン準軍事組織RSF、ダルフールの主要都市を制圧、人権団体が発表
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、エルファーシルの飛行場と西側のエリアでは戦闘が続いているという。
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アフリカ北東部・スーダンの人権団体は27日、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が西部ダルフール地方における国軍の最後の拠点「北ダルフール州エルファーシル」の軍司令部を制圧したと発表した。
RSFは前日にこの司令部を制圧したと主張していた。
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、エルファーシルの飛行場と西側のエリアでは戦闘が続いているという。
同委員会は声明で、「国軍の地上部隊は押されているように見え、航空支援を待っているようだった」と述べた。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官は27日、エルファーシルの現状に深刻な懸念を表明し、RSF戦闘員がアフリカ系部族を虐殺したり、その場で処刑しているという情報があると明らかにした。
軍事政権はエルファーシル陥落についてコメントしていない。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点になっていた。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲していた。
RSFは今夏に樹立した新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の拠点をエルファーシルと主張している。
一部の専門家はエルファーシル陥落でRSFがダルフールの支配を確立し、国が2つの分断される可能性があると警告している。
RSFが公開した動画には、同部隊の兵士たちが陸軍基地の看板の前で歓声を上げる様子が映っていた。
別の動画にはダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官が戦闘員に対し、略奪や民間人への攻撃を控えるよう呼びかけている。
X(旧ツイッター)で拡散した動画にはRSF戦闘員が街から逃げ出そうとする人々を銃で殴打する様子が映っていた。多くの人々が拘束される姿も確認された。
あるRSF戦闘員はアフリカ系部族を奴隷にしようと叫んでいた。
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