◎軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」のダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官は10日、エジプトが同国の内戦に関与していると主張した。
ダガロ氏はX(旧ツイッター)に投稿した動画で、「エジプト軍がRSF部隊を空爆した。我々は今、エジプトとも戦っている」と主張した。
またダガロ氏はエジプト軍がスーダン軍政に訓練を提供し、ドローンを供与していると非難。「このドローンは米国製だ」と述べた。「エジプトは米国の許可を得てスーダン軍に兵器を供与している...」
米国務省はこの主張に関するコメントを出していない。
ダガロ氏はエジプト軍が首都ハルツームなどに展開するRSF部隊を空爆したと示唆したが、その証拠は示さなかった。
軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
RSFがエジプト政府を公に非難したのはこれが初めてだ。
エジプト外務省は9日、ダガロ氏の主張を即座に否定。「エジプトはスーダンで進行中の内戦に関するRSF司令官の申し立てを却下する」と述べた。
また同省は、「我が国を含む国際社会はスーダン内戦を止め、民間人を保護し、その影響を受けている全ての市民に支援を提供するという目標を達成するための努力を継続する」とした。