◎スーダンの昨年のマラリア感染者は340万人以上、死者は約7900人と推定されている。
アフリカ北東部・スーダンで初のマラリアワクチン接種プログラムが始まった。
ユニセフ、世界保健機関(WHO)、国際機関Gaviワクチンアライアンスが軍事政権と協力して15地域の生後5~12カ月の児童約14万8000人にワクチンを接種する予定だ。
国連は先月、スーダンに18万6000回分のマラリアワクチンが初めて到着したと報告していた。
国連は2025年と26年に全土の129地域でワクチン接種を行いたいとしている。
マラリアはマラリア原虫をもった蚊に刺されることで感染する疾患。最も多い症状は発熱と悪寒で、発熱の数日前から倦怠感、背部痛、食欲不振など、不定の前駆症状が認められることもある。予防も治療も可能だ。
WHOによると、世界の22年のマラリア感染者数は約2億4900万人、死者数は約60万8000人。その95%はアフリカで報告されている。
スーダンの昨年のマラリア感染者は340万人以上、死者は約7900人と推定されているが、内戦の影響で正確な数を把握することは困難である。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強、約2500万人が飢餓に直面し、2万4000人以上が死亡、数万人が負傷したと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。