スーダンの人道支援活動「崩壊寸前」、国連IOMが警告
食料倉庫はほぼ空になり、物資輸送隊は深刻な安全上の脅威に直面し、支援物資を得られずにいる。
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国連の専門機関である国際移住機関(IOM)は11日、スーダン西部ダルフール地方における人道支援活動が完全に停止する恐れがあると警告した。
IOMは声明で、「避難民の急増でニーズが急激に高まる中、人道支援活動は今や崩壊寸前にある」と指摘。「食料倉庫はほぼ空になり、物資輸送隊は深刻な安全上の脅威に直面し、支援物資を得られずにいる」と付け加えた。
またIOMは国際社会に緊急支援を呼びかけ、資金が集まらなければ「取り返しのつかない大惨事に発展する」と警告した。
軍事政権とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFは先月末、ダルフール最後の軍政拠点、北ダルフール州エルファーシルを制圧し、コルドファン地方に進攻した。
国連機関などで構成する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の検討委員会は先週、エルファーシルを含む2地域で「飢きん」が発生していると発表した。
IPCは食料へのアクセス、消費、栄養状態、生計手段など複数の指標を総合的に分析し、状況を5つのフェーズに分類する。フェーズ1は「最小限」、フェーズ2は「ストレス」、フェーズ3は「危機」、フェーズ4は「緊急」、フェーズ5は「大惨事/飢きん」である。
IOMは声明の中で、「国連のチームが現地で対応に当たっているが、不安定な状況と物資の枯渇により、難民キャンプに逃げ込んだ数十万人のほんの一部にしか食料を提供できていない」と述べた。
IOMによると、少なくとも9万人がエルファーシル及び周辺村落を離れ、食料・水・医療支援が得られないルートで移動しているという。
