◎1月4日の抗議デモは、民間の指導者であるアブダッラー・ハムドゥーク首相が2日前に辞任を表明したことを受け、一層激しくなった。
1月4日、スーダンの主要都市で数千人規模の抗議デモが行われ、参加した市民は軍民合同政府の解体、文民統制、民主的な選挙で選出された指導者による政治を求めた。
首都ハルツームのデモ隊は主要な通りを封鎖し、反クーデターを訴えた。現地メディアによると、ハルツームと港湾都市ポートスーダンの治安当局はデモ隊を分散させるために催涙ガス弾を使用したという。
今回の抗議デモは、民間の指導者であるアブダッラー・ハムドゥーク首相が1月2日に辞任を表明したことを受け、一層激しくなった。
国軍は昨年10月25日にハムドゥーク首相と政府高官を拘束し、軍民合同政府「ソブリン評議会」を解散したうえで、2023年7月の選挙まで権力を維持すると発表した。
軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを追放し、国を民主主義に導くソブリン評議会を創設したが、昨年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。
ハムドゥーク首相とクーデターの首謀者であるアブデル・ファッタ・バーハン将軍は11月、権力共有協定に署名し新たな軍民合同政府を発足させたが、協定の内容は一切明らかにされておらず、民主勢力と活動家たちは軍の権力が強化された可能性に懸念を表明し、各地で抗議デモを続けていた。
2019年の革命を主導したスーダン医師委員会によると、治安当局は10月末の抗議開始以来、デモに参加した市民少なくとも56人を殺害したという。56人の大半が射殺されたと伝えられている。
ハルツームと姉妹都市オムドゥルマンのデモ隊は道路にタイヤを設置し、交通を遮断した。AP通信によると、ポートスーダンの抗議では銃撃が報告されたという。
ハルツームのデモに参加した男性はAFP通信に、「軍事政権が解体されるまで抗議を続ける」と吠えた。「治安当局に殺された人々の無念を晴らさなければなりません。軍に虐殺の責任を負わせてください!」
別の抗議者はロイター通信に、「ハムドゥーク首相の辞任で懸念はさらに高まった」と述べた。「民間の指導者が去り、軍の指導者が残りました。これが軍事政権のやり方です...」
オムドゥルマンのデモに参加した男性はAP通信に、「自由、平和、正義を求める」と述べ、軍に撤退を求めた。「虐殺リーダーは11月の協定で指導者になり、虐殺の責任を回避しました。私たちは民主主義を求めています。虐殺リーダーを速やかに逮捕し裁判にかけなさい...」
クーデターの首謀者であるバーハン将軍は内戦を避けるために行動したと主張し、軍事クーデターを擁護している。
軍民合同政府によると、11月の権力共有協定と民主化への移行を規定する憲法に基づき、2023年7月までに民主的な選挙を行う予定だという。しかし、抗議に参加した市民の多くが協定を「信じない」と拒否した。
バーハン将軍は3日の演説で、「国軍はスーダンの安全弁であり、民主化への移行に欠かせない」と述べた。またバーハン将軍は特定の任務を統括する暫定内閣を発足させると明らかにし、「自由で公正な選挙を行える体制が確立されるまで、軍は暫定内閣と国を保護する」と宣言した。