◎治安部隊はデモ隊を解散させるために催涙ガス弾と実弾を使用し、市民1人を射殺した。
2月28日、スーダンの首都ハルツームで軍民合同政府と昨年10月の軍事クーデターに抗議するデモが行われ、数千人が参加した。
デモを主催する団体によると、治安部隊はデモ隊を解散させるために催涙ガス弾と実弾を使用し、市民1人を射殺したという。
国軍は昨年10月末にアブダッラー・ハムドゥーク首相(当時)と政府高官を拘束し、軍民合同政府「ソブリン評議会」を解散させ、2023年7月の選挙まで権力を維持すると発表した。
軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを追放し、国を民主主義に導くソブリン評議会を創設したが、昨年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。
ハムドゥーク首相とクーデターの首謀者であるアブデル・ファッタ・バーハン将軍は11月に権力共有協定に署名し新たな軍民合同政府を発足させた。しかし、協定の内容は一切明らかにされておらず、民主主義を求める団体や野党勢力は軍の権力が強化された可能性に懸念を表明し、各地で抗議デモを続けている。
2019年の無血クーデターを主導したスーダン医師会は28日の声明で、死亡したデモ参加者は頭を撃たれていたと明らかにした。
治安部隊の取り締まりは軍民合同政府発足以降も続いており、これまでに少なくとも83人が死亡、2,600人以上が負傷した。
合同政府に反対する勢力は、現在停滞している民主化への移行を完了させるために、完全な文民政府の発足を要求している。
しかし、軍は選挙で選ばれた政府にのみ権力を渡すと主張している。バーハン将軍は来年選挙を行うと約束しているが、本当に行われるという保証はない。