◎スーダン内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、1万4000人以上が死亡、3万人以上が負傷したと推定されている。
スーダン軍政と激戦を繰り広げている準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」のダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官が来月スイスで開催される停戦協議に出席する予定だ。ダガロ氏本人が23日、明らかにした。
この停戦協議は15カ月にわたる激しい戦闘に終止符を打つため、米国とサウジによって手配された。
軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、1万4000人以上が死亡、3万人以上が負傷したと推定されている。
米国務省によると、この協議は昨年末にサウジで決裂した直接協議を引き継ぐ予定。
同省のミラー(Matthew Miller)報道官は声明で、「戦闘でスーダンの紛争を解決できるとは思っておらず、国際社会が仲介する協議が唯一の解決策である」と述べた。
またミラー氏は「進行中の飢餓を防ぎ、市民の命を守り、国を再建することに注力すべきだ」と強調した。
ダガロ氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「今回の協議がスーダンの平和と安定に向けた大きな一歩となり、正義、平等、連邦統治に基づく新しい国家が誕生することを望んでいる」と書き込んだ。
しかし、軍政を率いるブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍が協議に参加するかどうかはまだ明らかになっていない。
軍政の報道官事務所の関係者はAP通信の取材に対し、「スイス協議に代表団を派遣するかどうかはまだ決まっていない」と語った。
国際的な人道・開発援助の非政府組織「ワールド・ビジョン」は先月、スーダン市民75万人以上が今後数カ月以内に餓死する恐れがあると警告した。