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スーダン準軍事組織RSFが民間人40人殺害、戦闘がコルドファン地域に拡大

地元メディアは目撃者の話しとして、RSFがエルオベイドの葬儀場をドローンで攻撃し、民間人少なくとも40人を殺害したと報じている。
スーダン、南コルドファン州の集落(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が北コルドファン州エルオベイドを攻撃し、少なくとも40人が死亡した。地元当局が5日、明らかにした。

軍事政権はコメントを出していない。

2年に及ぶ内戦が激化する中、同地域では他の場所でも残虐行為が報告されている。

国連人道問題調整事務所(OCHA)はRSFが3日にエルオベイドを攻撃したと報告している。

またOCHAはコルドファン全域で人道状況が悪化していると警告した。

地元メディアは目撃者の話しとして、RSFがエルオベイドの葬儀場をドローンで攻撃し、民間人少なくとも40人を殺害したと報じている。

コルドファンと隣接するダルフール地方は過去数か月間で内戦の震源地となった。

RSFは先週、ダルフール最後の軍政拠点エルファーシルを制圧し、コルドファンに進攻した。

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。

エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点になっていた。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲していた。

RSFは今夏に樹立した新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の拠点をエルファーシルと主張している。

国連機関などで構成する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の検討委員会は3日、スーダンの2地域で「飢きん」が発生していると発表した。

IPCは食料へのアクセス、消費、栄養状態、生計手段など複数の指標を総合的に分析し、状況を5つのフェーズに分類する。フェーズ1は「最小限」、フェーズ2は「ストレス」、フェーズ3は「危機」、フェーズ4は「緊急」、フェーズ5は「大惨事/飢きん」である。

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