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スーダン内戦、人道的停戦へ、準軍事組織RSFが合意、米国仲介

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン軍政を率いるブルハン将軍(右)と即応支援部隊のダガロ司令官(Getty Images)

アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が6日、米国主導の調停団が提案した「人道的停戦」に合意したと明らかにした。

RSFは声明で「我々は合意の実施を期待するとともに、紛争の根本原因に対処し、スーダン国民の苦難を終わらせる形で、敵対行為の停止と政治プロセスを導く基本原則に関する協議を直ちに開始する」と述べた。

軍事政権はコメントを出していない。

AP通信は軍当局者の話しとして、「軍はRSFが民間地域から完全に撤退し、過去の和平提案通り武器を放棄した場合にのみ停戦に合意する」と報じた。

トランプ政権のブーロス(Massad Boulos)顧問はRSFの発表を歓迎。「米国は人道的停戦を実現するためにスーダン軍およびRSFと協力しており、間もなく詳細を発表する可能性がある」と表明した。

米国は内戦終結に向け、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)と協力してきた。

軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。

この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。

激戦が続くダルフール地方では数千人が餓死者したという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。

国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。

正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。

RSFは先週、ダルフール最後の軍政拠点エルファーシルを制圧し、コルドファンに進攻した。

エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点になっていた。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲していた。

RSFは今夏に樹立した新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」の拠点をエルファーシルと主張している。

国連機関などで構成する「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の検討委員会は3日、スーダンの2地域で「飢きん」が発生していると発表した。

IPCは食料へのアクセス、消費、栄養状態、生計手段など複数の指標を総合的に分析し、状況を5つのフェーズに分類する。フェーズ1は「最小限」、フェーズ2は「ストレス」、フェーズ3は「危機」、フェーズ4は「緊急」、フェーズ5は「大惨事/飢きん」である。

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