スーダン準軍事組織RSF、ダルフール地方で市民13人殺害、内戦激化
事件は激戦が続く北ダルフール州エルファーシル近郊の市道で発生した。
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アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が西部ダルフール地方で少なくとも13人の市民を殺害した。地元の人権団体が24日、明らかにした。
それによると、事件は激戦が続く北ダルフール州エルファーシル近郊の市道で発生。RSFの戦闘員が徒歩で難民キャンプに向かっていた女性と高齢者を殺害したという。
人権団体「スーダン医師中央委員会」はこの襲撃で非武装の女性4人、子供5人、高齢者4人が殺害されたと明らかにした。
また同委員会はRSFが軍事政権寄りの民族を意図的に殺害していると主張した。
さらに、「この虐殺はRSFがダルフールの無防備な市民に対して民族浄化とジェノサイド(集団殺害)を継続している証拠である」と述べた。
RSFと軍政はコメントを出していない。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は2日前、RSFがエルファーシルの難民キャンプを襲撃して少なくとも89人の民間人を殺害し、そのうち16人は即決処刑されたと明らかにしていた。
この翌日にはRSFの地上部隊がエルファーシルの病院に迫撃砲を撃ち込み、医療従事者1人と子供と妊婦を含む患者6人が負傷した。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
国連児童機関(ユニセフ)によると、RSFは先月、北コルドファンと南コルドファン両州とその周辺地域で暴れ回り、子供35人と妊婦2人を含む450人以上の民間人を殺害したという。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。
RSFは先月末、ダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官率いる新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」を立ち上げた。