◎軍政とRSFによる1年にわたる内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面している。
スーダン西部ダルフールで戦闘が激化し、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が深刻な懸念を表明した。
OHCHRのターク(Volker Turk)高等弁務官の報道官は26日、「ダルフール北部の町とその周辺で戦闘が激化しているという報告を受け、人道危機がさらに悪化しないか、懸念している」と記者団に語った。
それによると、アラブ系とアフリカ系部族は互いに迫撃砲やロケットランチャーを撃ち合っているという。
さらに、軍事政権と戦争状態にある準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」がこれに加わり、戦闘が激化。住宅街で銃撃戦が繰り広げられ、空軍の戦闘機が広範囲に被害をもたらす誘導爆弾を投下したこともあったという。
この町では1年前に内戦が勃発して以来、子供を含む少なくとも43人が戦闘に巻き込まれ死亡したと報告されている。
ターク氏の報道官は当事者に対し、即時停戦と被災地に人道支援を送るよう呼びかけた。
軍政とRSFによる1年にわたる内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面している。
国連世界食糧計画(WFP)によると、少なくとも500万人がいつ餓死してもおかしくない状況に置かれているという。その中でも特に危機的状況に置かれているのがダルフールとされる。
国連はダルフール紛争の死者数を30万人と推定している。