◎コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。
内戦下のアフリカ北東部・スーダンでコレラの流行が続いている。
軍事政権が15日に公表した最新の統計によると、全国の感染者数は2万4000人超、死者は699人。全国18州のうち11州で感染者が確認された。
そのうち5州の感染者数は減少傾向にあるものの、戦闘が続いている地域の実態を把握することは難しく、実際の感染者数はこれをはるかに上回る可能性があるという。
コレラは感染性下痢症のひとつで、治療せずに放置すると数時間で死に至ることもある。コレラ菌に汚染された水を飲んだり食品を食べたりすることで感染する。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人以上が死亡、少なくとも1160万人が避難を余儀なくされ、うち310万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
紛争の結果、医療システムは崩壊。全国の医療従事者が医薬品不足に悩まされる中、コレラを含む複数の感染症が蔓延する事態となった。
RSFの攻撃を免れている地域には避難民が殺到。学校や公民館に仮設の避難所が設置された。その多くが屋外で寝泊まりしている。
軍政は7月末に最初のコレラ感染者を確認。翌月、非常事態を宣言した。