◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン軍政が10日、ラマダン停戦(イスラム教の断食月)を拒否し、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」への攻撃を続けると表明した。
軍政の報道官は国営テレビを通じて声明を発表。「一定の条件が満たされない限り、ラマダン中も戦闘を維持する」と言明した。
また報道官はこう強調した。「RSFは民間人を解放し、この国から去れ」
軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
内戦は部族間紛争が続く西部ダルフールに拡大。アラブ系とアフリカ系部族の対立を激化させ、数千人が殺害されたり、餓死したと推定されている。
地元メディアによると、戦闘開始直後はRSFが広い範囲で優位に立っていたものの、最近は国軍の前進を許しているという。
前線の状況はほとんど明らかになっていない。死傷者は数万人と推定されているが、被害の全容は不明。調査が進む目途も全く立っていない。
和平への道は遠い。軍政の要求に対するRSFの反応は乏しく、不透明だ。
停戦を仲介する国際社会の取り組みは根深い敵意と権力闘争の前に何度も頓挫している。
この結果、人道危機は壊滅的なレベルに悪化。数百万人が飢餓に直面する事態となった。
国連は暴力を非難し、和平と人道支援を優先するよう双方に求めている。しかし、恒久的な停戦と和平を達成するには、政治的力学、民族間対立、国際社会の要請が複雑に絡み合った状況を乗り切る必要がある。