▽軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダンの軍事政権が首都ハルツームの北方に位置するオムドゥルマンの一部地域を準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」から奪取したと主張している。
軍政の報道官は8日、SNSに声明を投稿し、「オムドゥルマンの3地域からRSFを追い出し、攻撃を続けている」と明らかにした。
軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
RSFは国土の半分を支配下に置いたとされる。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、オムドゥルマンの戦闘は7日に激化し、爆発音や銃声が鳴り響いているという。
戦闘を目撃したというX(旧ツイッター)ユーザーは「RSFの戦闘員が陸軍部隊の攻撃を食い止めるためにドローンを投入している」と書いた。
AP通信も陸軍の進軍を確認し、「RSFの拘束下にあった3人の陸軍将校が解放された」と伝えている。
またAPは情報筋の話しとして、「陸軍はRSFが管理する武器弾薬庫と小麦粉・砂糖の貯蔵施設を取り戻した」と報じた。
軍は7日の戦闘でRSFの将校を含む最大20人を殺害したと報告している。
米国務省は7日、RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官とその家族を制裁リストに追加。これによりダガロ氏らは米国への渡航を禁じられ、彼らが米国内で保有する資産も凍結された。