◎軍政とRSFの戦闘は首都ハルツームから全土に広がった。
スーダン軍政は15日、敵対する準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の銀行口座をすべて凍結するよう命じた。
両者はこの1カ月、全土で戦闘を繰り広げ、様々な問題を抱える同国を全面戦争の瀬戸際まで追い込んでいる。
国営スーダン通信(SUNA)は軍政を率いるブルハン(Abdel Fattah Burhan)将軍の声明を引用し、「この政令はRSFが国内に保有する全ての銀行口座および資産を対象とする」と報じた。
この措置がRSFに影響を与えるかはどうかは不明である。SUNAによると、RSFは国内の複数の金融機関を買収し、巨万の富を築いてきたという。
ブルハン氏は14日に中央銀行総裁、15日には国家警察の長官および外務省の高官2人を解任した。4人が解任された理由は明らかになっていない。
軍政とRSFの戦闘は首都ハルツームから全土に広がり、ダルフール紛争を激化させる可能性がある。この紛争の死者数は最大30万人と推定され、300万人近くが故郷を追われたと考えられている。
ハルツームの戦闘では数万人が近隣諸国への避難を余儀なくされた。
地元メディアは都市部以外でも戦闘が勃発し、アラブ系とアフリカ系住民の争いに発展しつつあると報じている。
ハルツームは市街戦で、西部ダルフール地方は部族間の衝突で揺らいでいる。
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、この1カ月で民間人700~1000人が死亡、20万人以上が近隣諸国に避難し、国内では推定70万人が避難生活を送っているという。
西ダルフール州の州都ジェネイナでは先週、2日間にわたって戦闘が発生し、民間人数十人が死亡したと伝えられている。
それによると、RSFの戦闘員が12日に市内に入り、他の武装勢力(アフリカ系部族とみられる)や住民と衝突したという。
ハルツームの南部地区では15日に爆発音が鳴り響いた。
ソーシャルメディアで共有された動画には、ハルツームの東地区にある病院が爆発するところが映っていた。
スーダン医師中央委員会はRSFが略奪や民間人を攻撃し、軍政は住宅地を無差別に爆撃していると非難している。
戦闘が始まって以来、両者は何度か短い停戦に合意したが、発効後も戦闘は続いている。
AP通信はハルツームの姉妹都市オムドゥルマンに拠点を置くNGOの話として、「武装集団が市内の女子大を急襲し、女性2人をレイプした」と伝えた。