スーダン軍政が国連の「人道停戦」受け入れ、ダルフール地方で激戦続く
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
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アフリカ北東部・スーダンの軍事政権は27日、国連が提案している北ダルフール州エルファーシルでの1週間の停戦を受け入れると表明した。
国連のグテレス(Antonio Guterres)事務総長はこの日、軍政の最高指導者であるブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍と電話会談を行い、エルファーシルで人道危機が拡大していると警告した。
軍政は国連による1週間の「人道停戦」を受け入れると表明。国連はエルファーシルへの支援物資搬入を強化するとしている。
軍政の報道官は声明で、「ブルハン氏は国連の提案を受け入れ、関連する国連安全保障理事会決議の重要性を強調した」と述べたが、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が停戦に同意するかは不明だ。
グテレス氏は27日の記者会見で、「人道停戦を実現するために紛争当事者と連絡を取り合っている」と語った。
グテレス氏は停戦の詳細、実施時期については明言しなかった。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFはこの1年間、唯一支配下にないエルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍政の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。