▽軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダンの軍事政権を率いるブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍は1日、敵対する準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」を軍に統合するという仲介国の提案を拒絶した。
ブルハン氏は独立記念日を祝うテレビ演説でRSFとの和平合意を「あり得ない」と言明。その司令官であるダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)氏を殺人者と呼んだ。
またブルハン氏はRSFを軍に統合してはどうかという仲介国の提案を却下し、「RSFとの関係が内戦前の状態に戻ることは絶対にない」と述べた。
さらに、避難を余儀なくされた市民の安全な帰還を確保することを目的とした停戦には応じる用意があると表明した。
軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
戦闘は全国18州のうち13州で続いている。米国とサウジアラビアが主導する仲介は今のところ全て失敗に終わっている。