◎スーダンはかつてない経済的・政治的混乱に陥っている。
2022年1月4日/スーダン、首都ハルツームの抗議デモ(Getty Images/AFP通信)

スーダンのデモ隊は11日、2019年の独裁者追放から3年を記念する集会を全国各地で開催し、昨年の軍事クーデターで政権を奪取した軍当局に抗議した。

スーダンを30年にわたった支配した独裁者のアル=バシールは2019年の無血クーデターで追放され、その後、数カ月にわたる抗議デモを主導した市民グループは軍当局と軍民合同政府「ソブリン評議会」を発足させた。

その取り決めは昨年10月、アブデル・ファッタ・バーハン将軍率いる勢力の軍事クーデターで崩壊し、同国はかつてない経済的・政治的混乱に陥っている。

ハルツームの抗議デモに参加した男性はロイター通信の取材に対し、「民主主義を確立するためにはバーハン将軍の統治を終わらせる必要がある」と訴えた。「バーハン将軍もアル=バシールと同じ独裁者です」

デモの主催者は聴衆に、「私たちは平和的に軍事政権を崩壊させ、スーダンの民主主義を取り戻す」と呼びかけた。

デモ隊は主要道路を封鎖し、タイヤを燃やし、太鼓を叩き、軍事政権の解体と文民統制の確立を呼びかけた。

2019年の無血クーデターを主導したスーダン医師会によると、昨年10月の抗議デモ開始以来、治安部隊の取り締まりで市民少なくとも94人が死亡し、数千人が負傷したという。

軍事政権は市民を殺害したという人権団体の告発を否定している。

デモはハルツームの対岸都市オムドゥルマン、港湾都市ポートスーダン、バーリ、エルオベイドなどでも開催され、地元メディアは数万人が参加したと報じた。

軍は昨年、ソブリン評議会を解散したのち、選挙で選出された指導者と新たな協定を結び、新政府「主権評議会」を発足させた。

しかし、協定の内容は一切明らかにされておらず、民主主義を求める団体や野党勢力は軍の権力が強化された可能性に懸念を表明し、各地で抗議デモを続けている。

協定を主導したハムドゥーク前首相は政治的行き詰まりを打開することができず、今年1月に辞任した。主権評議会は新首相を任命していない。

2021年11月8日/スーダン、首都ハルツーム、軍事政権に反対する抗議デモ(Getty Images/AFP通信)
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