◎国連は先月、ダルフールを含む戦地に食料を輸送できなければ、今後数カ月で約22万2000人の子供が餓死する恐れがあると警告した。
国連世界食糧計画(WFP)は5日、アフリカ北東部・スーダンの西部ダルフールで数カ月ぶりに食料配給を開始したと明らかにした。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」による1年にわたる紛争は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面している。
WFPによると、少なくとも500万人がいつ餓死してもおかしくない状況に置かれているという。
その中でも特に危機的状況にあるのがダルフールとされる。
軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
内戦は部族間紛争が続くダルフールに拡大。アラブ系とアフリカ系部族の対立を激化させ、数千人が殺害されたり、餓死したと推定されている。
WFPによると、3月下旬に2つの援助物資輸送団が隣国チャドからスーダンに入ったものの、それ以上の輸送は予定されていないという。
この支援物資は約25万人に届き、1ヶ月間続くと予想されている。
WFPの駐スーダン特使はAP通信の取材に対し、「進行中の飢饉はまもなく始まるであろう干ばつでさらに悪化し、全土を覆い尽くす恐れがある」と語った。
国連は先月、ダルフールを含む戦地に食料を輸送できなければ、今後数カ月で約22万2000人の子供が餓死する恐れがあると警告した。
しかし、国連が求めるスーダン向け支援約27億ドルはほとんど集まらず、先月末の時点で5%に届いていない。
国連はダルフール紛争の死者を30万人と推定している。過去5年間の紛争で故郷を追われた市民は300万人近くに達した。