◎デモ隊は首都ハルツームの政府庁舎周辺で座り込み抗議を続けている。
スーダン軍を率いるブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍は4日、政治危機を解決するために軍事政権を解散させると発表した。
スーダンを30年にわたった支配した独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)は2019年4月の無血クーデターで追放され、その後、抗議デモを主導した「自由と変化の勢力(FFC)」などの市民グループは軍当局と軍民合同政府「ソブリン評議会」を発足させた。
しかし、軍と民間部門の取り決めはブルハン氏が主導した昨年10月の軍事クーデターで崩壊し、同国はかつてない経済的・政治的混乱に陥っている。
ブルハン氏は4日に放送されたテレビ演説の中で、「軍は文民統制への道を切り開く」と述べた。
「私は国民に、特に若者に平和を堅持するよう呼びかけます。誰もが自分の意見を表明する権利を持っています。あなたたちが支払った犠牲は尊重され、民主主義を求めるあなたたちの希望は実現するでしょう。軍隊は政府から去ります」
国連やアフリカ連合(AU)などの国際機関は昨年のクーデター以来、政治的行き詰まりを打開するための協議を仲介している。
一方、デモ隊は首都ハルツームの政府庁舎周辺で座り込み抗議を続けている。現地メディアによると、数千人が5日連続で抗議した。
AFP通信の取材に応じた男性は「この座り込みは軍が去るまで続く」と語った。「今夜も明日も明後日も続けます。私たちは市民に銃を向ける卑怯な軍指導部を追放するまでやめません」
ブルハン氏は軍事政権を解散させると約束したが、民主指導者との交渉や選挙の日程は明らかにしなかった。
2019年の無血クーデターを主導した人権団体「スーダン医師会」によると、治安部隊に殺害されたデモ参加者は確認されているだけで120人近くに達し、数千人が負傷した。