国連WFP「スーダン首都近郊で飢饉のリスク高まる」資金不足深刻
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
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国連の世界食糧計画(WFP)は10日、アフリカ北東部・スーダンの首都ハルツーム南部の地域が飢饉に直面していると明らかにした。
WFPスーダン事務所の報道官はオンライン会見で、「飢餓と貧困のレベルは深刻であり、ハルツーム南方のいくつかの地域では飢饉のリスクが劇的に高まっている」と語った。
また報道官はWFPが紅海沿岸の都市ポートスーダンからハルツームへのルートを確保し、ハルツームの7地域で100万人を支援したと明らかにした。
軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち400万~500万人が周辺のチャドなどに逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
軍政は3月下旬にハルツームを奪還した。
WFPによると、スーダンでの緊急支援に必要な資金は5億ドルほど不足。現地当局は資金不足を受け、油と豆類の配給量を削減したという。
WFPは4月、資金不足を理由に、飢饉のリスクがある国・地域の配給量を70%削減したと明らかにしていた。