スーダン軍政の最高指導者が閣僚人事発表、内戦激化
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
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アフリカ北東部・スーダンの軍事政権を率いるブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍が閣僚人事を発表し、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との戦争に勝利すると誓った。現地メディアが19日に報じた。
ブルハン氏は前日、軍将校数名の退役を発表。統合参謀本部の人事を行った。
国営メディアによると、統合参謀本部議長は留任。ブルハン氏は新しい監察官と空軍の司令官を任命したという。
一方、ブルハン氏が17日に公布した法令により、ダルフール地方の一部の反政府勢力、イスラム教徒で構成される民兵、内戦に参加した民間人、部族の民兵など、軍と共闘しているすべての武装集団が軍政の支配下に入った。
軍政とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者数は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14カ月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFは先月末、ダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官率いる新政府「スーダン建国同盟指導評議会(TASIS)」を立ち上げた。
TASISはブルハン氏の「首」を取り、全土を掌握するまで戦い続けると誓っている。
この内戦が終結する目途は全く立っておらず、激戦が続くダルフール地方では避難民キャンプが標的になるなど、民間人の犠牲が増え続けている。
RSFはこの1年間、ダルフールの中で唯一支配下にない北ダルフール州エルファーシルへの攻撃を続けてきた。
エルファーシルはハルツームの南西800キロに位置し、ダルフールにおける軍事政権の最後の主要拠点となっている。RSFは24年5月からエルファーシルを包囲している。
