◎軍事政権と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
アフリカ北東部・スーダンの軍事政権が首都ハルツームを奪還するため、大規模な攻勢を開始した。現地メディアが27日に報じた。
それによると、国軍は26日未明、ハルツームの北西に位置する都市オムドゥルマンからハルツームに続く橋を渡ったという。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは関係者の話しとして、「軍は複数の歩兵部隊をハルツーム市内に送り込み、航空戦力の支援を受けながら、RSFの拠点を目指している」と報じた。
それによると、軍はオムドゥルマンとハルツームを結ぶ橋を少なくとも1つ占領。ハルツーム中心部の市場に入り、計3つの主要な交差点を制圧したという。
軍政とRSFは昨年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の5割強にあたる約2500万人が食料不足に喘ぎ、世界保健機関(WHO)は2万人以上が死亡、数万人が負傷したと推定している。
激戦が続く西部ダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
軍政は紅海沿岸の都市ポートスーダンに拠点を置いている。
RSFはハルツームの大部分を支配しているとみられ、市場や病院を略奪、女性や少女を暴行するなど、戦争犯罪や人道に対する罪で告発されている。
RSFの支配下で生活するハルツーム在住の男性はアルジャジーラの取材に対し、「軍がハルツームに入ったという話しを聞き、戦闘が激しくならないか心配している」と語った。
それによると、26日の午前2時頃から銃声と爆発音が聞こえるようになり、夜が明けると戦闘機やヘリが飛び交っていたという。
スーダンの一部地域では現在、コレラが大流行している。保健当局は今週、この1カ月で約1万4000人がコレラに罹患し、少なくとも430人が死亡したと明らかにした。