◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
スーダン軍政のブルハン(Abdel-Fattah Burhan)将軍が5日、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」との和平交渉を拒否した。
ブルハン氏は声明で、「ダガロ(Mohamed Hamdan Dagalo)司令官とRSFが犯した戦争犯罪と人道に対する罪を見過ごすことはできない」と非難した。
またブルハン氏は「RSFがスーダン全土とダルフール地方で市民を虐殺した」と主張。「RSFとの取引には一切応じない」と言明した。
東アフリカ地域の地域経済共同体「政府間開発機構(IGAD)」によると、ブルハン氏とダガロ氏は先月直接会談し、停戦の可能性について協議を開始することで合意した。
軍政とRSFは昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。国連はこの内戦で避難を余儀なくされた市民が710万人に達したと推定している。
ダガロ氏は4日、南アフリカの首都プレトリアでラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領と会談。軍政との和平交渉再開に自信をみせていた。
ダガロ氏は軍政が内戦を長引かせようとしていると主張。「RSFは敵対行為の停止を求めている」と述べた。
内戦の犠牲者は1万2000人を超えたと推定されているが、被害の全容は明らかになっておらず、調査が始まる目途も立っていない。
国連人道問題調整事務所(OCHA)のグリフィス(Martin Griffiths)事務次長(人道問題担当)は4日、スーダン内戦が今年も継続されれば、人道支援を必要とする市民の数は2500万人に達する可能性があると警告した。