▽軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2025/02/2025年1月11日/スーダン、ジャジーラ州ワドメダニ、国軍を歓迎する人々(Getty-Images/AFP通信).jpg)
アフリカ北東部・スーダンの軍事政権が8日、首都ハルツーム北部の要衝を準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」から奪還したと発表した。
それによると、地上部隊は空軍とドローンチームの後方支援を受けながら前進し、ハルツーム北部の中心街からRSFの戦闘員を追い出したという。
RSFはコメントを出していない。
軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1300万人以上が避難を余儀なくされ、うち300万~350万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
RSFはハルツームを含む国土の半分を支配している。
軍政はこの数週間でハルツームの一部とその周辺地域の大部分を奪還したと主張している。
今回軍政が奪還したとされるエリアは交易の要衝で、RSFのダガロ(Mohammed Hamdan Dagalo)司令官の親族が所有する不動産があり、RSFの拠点のひとつになっていた。
軍政は8日、ジャジーラ州北西部の町をRSFから奪回したと発表した。
それによると、地上部隊は州都ワドメダニ近郊の2つの地域からRSFを追い出したという。
一方、AFP通信は軍当局者の話しとして、「地上部隊はハルツーム中心部の政府施設に向かって前進している」と伝えている。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、ハルツーム中心部に続く住宅地で地上戦が展開されているとみられ、爆発音と銃声が鳴り響いているという。
RSFは今月初め、ハルツーム近郊のオムドゥルマンの市場を襲撃し、54人が死亡、多数の負傷者が出た。