▽軍事政権とRSFは23年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
.jpg)
アフリカ北東部・スーダンの準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が首都ハルツーム近郊の都市オムドゥルマンで民間人少なくとも30人を殺害した。軍事政権が28日、明らかにした。
それによると、RSFは27日早朝、オムドゥルマン南部の地区で30人を殺害し、女性を含む数十人を誘拐したという。
ハルツームで活動する人権団体もRSFが虐殺と誘拐を主導したと非難した。
ソーシャルメディアで共有された動画にはRSFの制服を着た男たちが、数十人の遺体を前に記念撮影する様子が映っていた。
RSFは声明で関与を否定。「軍に忠誠を誓うテロリストが市民を虐殺し、その責任をRSFに負わせようとしている」と主張した。
ロイター通信によると、この動画はオムドゥルマン市内にある大学の南方約5キロの地区で撮影されたとみられる。この地区では数週間前から国軍とRSFによる戦闘が続いているとされる。
軍政の報道官は28日、RSFが非武装の民間人を殺害したと非難し、国際社会にRSFをテロ組織に指定するよう求めた。
軍政とRSFは23年4月からハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の半数以上にあたる約2500万人が飢餓に直面し、数万人が死亡、1400万人以上が避難を余儀なくされ、うち約500万人が周辺国に逃れたと推定されている。
激戦が続くダルフール地方では複数の地域で餓死者が出ているという情報もある。被害の全容は明らかになっておらず、調査が進む目途も立っていない。
国連は23年4月~24年6月の間にハルツームだけで2万6000人以上が死亡。さらに数千人が病気や栄養失調などで死亡したと推定している。
正確な死傷者は明らかになっていないが、昨年公表されたデータによると、開戦から14か月間でハルツームだけで6万1000人が死亡した可能性がある。
RSFは先週、北ダルフール州エルファーシルへの攻撃を本格化させた。
RSFとその同盟民兵は今月初め、北ダルフール州の2つの避難民キャンプを攻撃し、数日間で400人以上を殺害した。