◎遺体安置所に遺体が山積みになっているという情報は5月に初めて報じられ、今月初めに地元メディアが報じた映像には、冷蔵設備のない室内に放置された遺体の山が映っていた。
スーダン、首都ハルツーム、軍事政権に抗議するデモ(Getty Images)

スーダンの医療関係者は26日、国内のいくつかの遺体安置所に1500体以上の身元不明の遺体が放置され、伝染病の発生につながるおそれがあると警告した。

AP通信は軍事政権に近い医療関係者の話を引用し、「この中には民主化デモで殺害された市民の遺体も含まれている」と報じた。

この医療関係者は「軍事政権は証拠を隠蔽しようとしている」と指摘した。

同国は2019年4月の無血クーデターで独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)を追放し、民主化への道を歩み始めていたが、昨年10月の軍事クーデターでこの計画が頓挫して以来、機能不全に陥っている。

首都ハルツームに拠点を置く医療機関の代表と軍事政権の関係者は26日に開いた記者会見で、独立した検死を行うべきという人権団体の訴えに反対し、公共の安全を確保するために速やかに遺体を埋葬する必要があると主張した。

一部の遺体安置所は市場の近くにあり、腐臭が漂っていると伝えられている。

安置所に遺体が山積みになっているという情報は5月に初めて報じられ、今月初めに地元メディアが報じた映像には、冷蔵設備のない室内に放置された遺体の山が映っていた。

軍事政権は先月、検死を行われずに遺体を埋葬することを許可した。

軍事クーデターを主導したブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍はより良いスーダンを築くと大見得を切ったが、その後の大規模な抗議デモ、ダルフールの紛争、自然災害に全く対処できず、国連や人道機関の支援に頼り切っている。

活動家や人権団体は安置所に放置された遺体の多くが独裁者オマル・バシルの時代に行われた弾圧の犠牲者と指摘している。治安当局は2019年6月、ハルツームのデモ隊を一掃し、100人以上を殺害した。

活動家たちは安置所近くで何度もデモを行っている。

25日には2019年4月の無血クーデターを主導したスーダン医師中央委員会が検察本部近くで抗議デモを開いた。

同委員会は声明で、「独立した信頼できる法医学チームによる検死を実施し、行方不明者とその家族の権利を守り、真実に到達し正義を実現するまで、埋葬は行うべきではない」と述べた。

2022年4月15日/スーダン、首都ハルツームの大統領府、ブルハン将軍(Sarah Meyssonnier/Pool/ロイター通信)
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