スーダン軍、準軍事組織RSFによる主要都市の包囲網を突破
軍はディリング周辺でRSFに対し「人的・装備面で重い損失を与えた」とし、補給路開通により同地域への支援や軍事的優位性を強化する態勢を整えたとしている。
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スーダン軍は26日、同国で続く内戦のなかで、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」が数カ月にわたり包囲していた南コルドファン州の要衝ディリング(Dilling)の包囲を解除したと発表した。軍は声明で、「包囲線を突破し、主要な補給路を確保した」と主張している。
声明によると、軍はディリング周辺でRSFに対し「人的・装備面で重い損失を与えた」とし、補給路開通により同地域への支援や軍事的優位性を強化する態勢を整えたとしている。一方、RSF側からこの軍の発表に対するコメントは出ていない。
ディリングは中央コルドファン地域に位置し、主要な道路や物流ルートが交錯する戦略的な要衝である。包囲が続いていた間、食料や生活物資の流入が大幅に制限され、住民らは飢餓に直面していたと伝えられている。ただし、世界食料安全保障の指標では、信頼できるデータが不足しているとして公式な飢饉の宣言には至っていない。
この内戦は2023年4月、軍とRSF間で権力闘争が激化し首都ハルツームでの武力衝突に発展したことに端を発している。国連はこれまでに4万人以上が死亡したと推定しており、人道支援団体は実際の犠牲者数はこれを大きく上回る可能性があると警告している。また、戦争による避難者は1400万人以上に達し、世界最大規模の人道危機となっている。
RSFはもともと政府軍の指揮下にあったが、独自に勢力を拡大し、軍との対立を深めてきた。内戦が長引く中でRSFは北コルドファン州の州都エル・オベイドやダルフール地方の主要都市エルファシールなど複数の拠点を掌握している。2025年10月にはエルファシールを制圧し、RSFが勢力を拡大しているとの分析もある。
軍はこれまでにもコルドファンやダルフールでRSFの包囲線を打破する戦術的成果を挙げており、ディリングでの包囲解除はその一環とみられている。軍はこの成功により、補給路の確保や民間人への物資供給の再開を図る意図とみられるが、戦闘の終結や地域の安定化には至っていない。
人道危機の深刻化は戦闘の激化と歩調を合わせて進行しており、国内各地で避難民が増加、飢餓や疾病のリスクが高まっている。国際支援団体は人道支援へのアクセス確保と、戦闘行為の停止を強く訴えているが、双方の武装勢力は戦闘を続ける構えを崩していない。
スーダン情勢に詳しい専門家は、軍事的な包囲解除が一時的な成果にとどまる可能性を指摘し、政治的な解決策の模索が不可欠だと指摘している。また、民間人保護や人道支援の円滑な実施には、戦闘の停止と国際社会の連携が必要だとしている。今回の包囲解除は戦況の一局面に過ぎず、今後の展開次第ではさらなる激戦や人道的悪化も懸念される。
