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スーダン軍政が首都ハルツームに帰還、内戦勃発以来初

スーダンでは2023年4月、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の間で内戦が始まった。
スーダン、軍事政権を率いるブルハン将軍(Getty Images)

アフリカ北東部のスーダンで内戦勃発後、初めて軍事政権が首都ハルツームに帰還した。軍政は約3年にわたる内戦のさなか、紅海沿岸の都市ポートスーダンを事実上の首都として運営していたが、11日、「希望の政府」がハルツームに戻ったと主張した。軍政は声明で、基本的な行政機能の再開や市民生活の改善に向けた取り組みを進める考えを示した。

イドリス(Kamil al-Taib Idris)首相は到着後の演説で、「電力・水道・医療・教育サービスの改善を優先課題とする」と述べた。また、2026年を「平和の年」と位置付け、インフラ再建や経済の安定化に全力を尽くすと語った。さらに、紛争で大きな打撃を受けたハルツームの復興には、電力や水道など基本的な社会サービスの再整備が欠かせないとの認識を示した。

スーダンでは2023年4月、国軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の間で内戦が始まった。ハルツームは激しい戦闘の舞台となり、軍は安全確保のためポートスーダンへの移転を余儀なくされた。首都はその後、RSFの支配下に置かれ、市民の多くが略奪や暴力に苦しんだとの報告もある。

その後、国軍は2025年3月にハルツームの支配権を回復し、行政機能の再開を進めていた。国連によると、戦闘が最も激しかった時期には500万人以上がハルツームから避難したとみられる。また市内の多くの地区は建物の破壊や施設の機能停止など甚大な被害を受けており、復興にはなお多くの課題が残っている。

一方、内戦は依然として国内の広範囲で続いている。国軍とRSFの戦闘は首都周辺だけでなく、西部や南部の各地でも断続的に発生しており、特にダルフールやコルドファン地方などでは勢力争いが続いているとの報道がある。こうした治安情勢は、移民や国内避難民の増加、人道支援の困難さといった深刻な影響をもたらしている。

国連はスーダンの人道危機について、死者数は数万人に上り、国内外で数百万人が避難を余儀なくされたとしている。また、飢餓や感染症のリスクが劇的に高まり、支援活動の強化が求められている。復興と平和構築に向けた国際的な支援の重要性も指摘されている。

軍政の首都帰還は象徴的な意味を持つと同時に、実質的な国家機能の回復に向けた一歩となる。しかし、戦闘が続く地域の安定化や住民の生活再建には引き続き多くの困難があり、国内外の関係者は対話と調停を通じた恒久的な和平実現の必要性を強調している。

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