◎クーデターを主導したアブデル・ファッタ・バーハン将軍は、ハムザ・バルール情報文化相を含む4人の大臣を解放するよう当局に命じた。
スーダンの国営通信社によると、軍当局は先月25日のクーデターで拘束した4人の閣僚を開放するよう命じたという。
軍は先月25日にアブダッラー・ハムドゥーク首相とその他の高官を拘束したうえで軍民合同政府のソブリン評議会を解散し、2023年7月の選挙まで権力を維持すると発表した。
軍と民間の代表は2019年の無血クーデターで独裁者のオマル・アル=バシールを追放し、国を民主主義に導くソブリン評議会を発足させた。しかし、今年9月にアル=バシールの支持者がクーデター未遂事件を起こし、以来、軍事政権を復活させるという機運が高まっていた。
4人の閣僚の弁護士を務めるモエズ・ハドラ氏は11月4日の声明で、「大臣たちはまだ解放されていない」と述べた。
国営通信社によると、クーデターを主導したアブデル・ファッタ・バーハン将軍は、ハムザ・バルール情報文化相を含む4人の大臣を解放するよう当局に命じたという。
アフリカの同盟国はスーダン軍に文民暫定政府を創設するよう圧力をかけており、今回の人質解放は同盟国に歩み寄る姿勢を示す狙いがあると伝えられている。ハムドゥーク首相は先週解放された。
軍当局はクーデター後、州の民間テレビ局を襲撃し、全国のインターネット通信を停止した。現地メディアによると、インターネット通信はまだ大きく制限されているという。
一方、西側諸国は抗議デモに対する暴力の即時停止と文民政府の回復を求めており、国連人権理事会は5日に緊急会合を開催する予定である。
国連のアントニオ・グテーレス事務総省は4日の声明で、政治危機を速やかに解決し、スーダンの民主化に向けた移行プロセスを再開するようバーハン将軍に促した。
米国務省のネット・プライス報道官は4日の記者会見で、「アントニー・ブリンケン国務長官はハムドゥーク首相およびバーハン将軍と個別に会談し、問題の解決に向けた対話を開始するよう要求した」と述べた。
AP通信によると、クーデターで拘束された政府高官と関係者は100人近くにのぼり、その約半分が首都ハルツーム、残りは地方都市で拘束されている可能性が高いという。4人の閣僚は首都のどこかにいると伝えられている。
また、ソブリン評議会の議員らによると、軍当局は政府高官だけでなく、主要な民主活動家や抗議者を数百人拘束したという。
2019年の蜂起に関わったスーダン専門家協会のサラ・アブデルガリル氏は先週、抗議デモの参加者少なくとも数百人が拘束され、その一部は姿を消し、いくつかは拷問を受けた後に釈放されたと語った。
またアブデルガリル氏は、「インターネットがほぼ利用できないため、拘束または行方不明になった人の数を特定することは難しい」と述べ、国際社会に対応を急ぐよう求めた。「首都の情報はある程度掴めますが、その他の地域で起こっていることはほとんど把握できません...」
首都ハルツームに拠点を置く人権弁護士のアリ・アガブ氏はAP通信の取材に対し、「軍は抗議デモ中に撮影された写真や映像から個人を特定し、大量逮捕に踏み切ったという噂を聞いた」と述べた。