セネガル首都で学生と治安部隊が衝突、財政支援巡り緊張高まる
背景にあるのは、同国を覆う深刻な財政危機だ。国際通貨基金(IMF)によると、セネガルの公的債務はGDPの132%に達している。
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セネガルの首都ダカールで3日、大学生による抗議デモが行われ、一部の暴徒と治安部隊が衝突した。
学生たちは大学と政府に対し、奨学金や各種手当などの支払いを要求。一部が校舎に向けて石を投げ始め、大学側は安全確保のため警察に支援を要請した。治安部隊は催涙ガスで応戦、複数人が負傷したという情報もある。
デモに参加した男子生徒はロイター通信の取材に対し、「我々は議論しようとしていただけなのに、警察がキャンパスに入ってきた」と語った。
一方、ダカール大学の学生団体は声明で。「学生たちは13か月にわたって平和的なデモを続けてきたにもかかわらず、当局に無視され続けた」と主張。「大統領と首相に訴えたが、国の不安定さと大学の混乱は当局も認識していたはずだ。それなのに警察を送り込むことで事態を悪化させた」と非難した。
背景にあるのは、同国を覆う深刻な財政危機だ。国際通貨基金(IMF)によると、セネガルの公的債務はGDPの132%に達している。
政府与党は失業対策・汚職撲滅・エリート主義の是正などを掲げていたものの、その経済・社会課題への対応で批判を浴びてきた。IMFとの支援プログラムに関する交渉も遅れており、国民の不満と社会的緊張が高まっている。
こうした状況の中で、学生たちの要求は若者の将来や教育の機会、国家財政の持続可能性という広い問題と結びついており、単なる大学での支援要求を超えた社会問題に発展している。
