◎スペイン領のセウタ、メリリャ、カナリア諸島にはアフリカや中東の移民が押し寄せている。
アフリカ北西部・モロッコと国境を接するスペイン領セウタへの亡命を希望する移民が急増し、国境フェンスを越えるべく、モロッコ側でスキを窺っている。
未成年を含む数百人の移民は今週初め、国境フェンスを乗り越えようとしたが、両国の国境警備隊に打ち負かされ、撤退を余儀なくされ、数十人がモロッコ側で逮捕された。
スペイン内務省は16日の声明で、「入国に成功した者はいなかった」と明らかにした。
モロッコとスペインが数年前に「西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)」をめぐる問題で対立して以来、移民がモロッコ側からセウタに侵入するケースはほとんど確認されていなかった。
しかし、最近セウタを目指す若者が急増しているようだ。地元の民間団体が最近行った世論調査によると、18~29歳のモロッコ人の55%が経済的理由からスペインへの移住を考えたことがあると回答したという。
スペイン、モロッコ、EUは不法移民の取り締まりを強化することで合意している。
モロッコ内務省によると、今年1月から9月上旬にかけて、国境警備隊は全国で4万5000件以上の不法入国・出国を阻止したという。
8月のセウタ周辺における阻止件数は1万1000件以上、スペイン領メリリャは3000件以上となっている。