◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
国連世界食糧計画(WFP)は19日、スーダン西部ダルフール地方に届く支援物資がわずかに増加したと報告した。
それによると、危機的状況にあるダルフールに届く支援物資はわずかに増加したものの、数百万人の避難民を賄える量ではなく、「さらなるより強力な支援」が必要だという。
スーダンのWFPミッションは声明で、「餓死寸前の状態にあった5万人以上に何とか食料を届けることができた」と述べた。
WFPは食料をいつどこでどのように配布したかは明らかにしていない。
軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」は昨年4月から首都ハルツームなどの支配権を争っている。
この内戦は世界最悪の人道危機に発展。人口の3割にあたる約1800万人が飢餓に直面し、1万4000人以上が死亡したと推定されている。
国際移住機関(IOM)は今週、スーダンの国内避難民数が1000万人を超えたとする推計データを公表した。ダルフールの避難民は500万人と推定されている。
スーダンのWFPミッションは声明の中で、「飢餓に苦しむ市民の数は膨大であり、資金が圧倒的に不足している」と嘆いた。
ダルフールで人道支援に当たっているフランスの団体もAP通信の取材に対し、「何もかも足りず、複数の集落で餓死者が出ているという情報がある」と語った。
オランダのクリンゲンダール国際関係研究所が最近公表したレポートによると、今年9月末までにスーダンの市民約250万人が大飢饉により死亡する可能性があるという。
同研究所はレポートの中で、「ダルフールと南コルドファン地区の人口の約15%が最も深刻な影響を受ける恐れがある」と警告した。