◎陸軍によると、坑道の深さは2500メートル以上とみられ、そこから労働者を全員地上に戻すのは非常に難しく、さらに、労働者たちは武装している可能性があるという。
南アフリカ政府が15日、北西州郊外にある違法鉱山の中で生活する不法移民とみられる労働者たちを地上に出す専門家チームを結成した。
政府は今週、深さ2500メートル以上と推定される違法鉱山で生活する労働者たちに支援物資を送るべきという人権団体の要請を退けたが、方針を見直し、より融和的なアプローチをとることにした。
チームは陸軍、警察、消防、政府職員で構成され、労働者たちを地上に出し、逮捕する方針だ。
チームは15日、政府戦略の一環として、食料や水などの生活必需品を運ぶために使われていた坑道への入り口を閉鎖した。
坑内で生活する労働者の数は明らかになっていないが、州警察は情報筋の話しとして、「最大4000人が地下にいる可能性がある」と報告していた。
しかし、州警察は14日、この見積もりを訂正し、350~400人の鉱夫がいるとみられると明らかにした。
内相を団長とする政府代表団は15日、現場を視察し、地元住民州警察はいる労働者の親族と面会した。
内相は面会後、記者団に対し、「労働者の多くが不法移民とみられ、彼らの命を救うためにできる限りのことをする」と語った。
陸軍によると、坑道の深さは2500メートル以上とみられ、そこから労働者を全員地上に戻すのは非常に難しく、さらに、労働者たちは武装している可能性があるという。
南アの鉱山や金鉱では違法試掘が蔓延し、死亡事故が多発している。その多くが不法移民とされ、当局に通報すると逮捕される恐れがあるため、公になっていない事故もあるようだ。
地元メディアによると、違法鉱山はギャングの管理下にあることが多く、支配権をめぐる抗争が後を絶たないという。