南アフリカ検察、世界規模の犀角(サイの角)密輸ネットワークを摘発
シロサイは国際自然保護連合(IUCN)の準絶滅危惧種に、クロサイは絶滅危惧種に指定されている。
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南アフリカの検察当局が著名なサイの飼育業者であるジョン・ヒューム(John Hume、83歳)氏を含む6人を世界規模の犀角(さいかく)密輸ネットワークを運営していたとして起訴した。
ヒューム氏はヨハネスブルグの牧場で世界最大級のサイの飼育場を運営している。
ヒューム氏らは1410万ドル相当のサイの角964本を密売する計画に関与したとして告発された。
検察庁によると、ヒューム氏は19日に警察に出頭後、プレトリア地方裁判所で5000ドルの保釈金を支払ったという。
保釈条件にはパスポートの提出が含まれていた。
地元テレビ局は初公判を12月9日と報じている。
ヒューム氏はサイの飼育に必要な許可証を取得し、国内でサイの角の売買を行いながら、東南アジアの市場に角を流していたとされる。
南アの法律では、有効な許可証があれば国内取引は許可されている。
しかし、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(CITES、ワシントン条約)に基づき、サイの角の国際取引は違法である。
シロサイは国際自然保護連合(IUCN)の準絶滅危惧種に、クロサイは絶滅危惧種に指定されている。
その角はアジアの一部地域で漢方薬として利用され、取引価格は金やコカインに匹敵すると伝えられている。
南アの国立公園には世界のクロサイの3割が生息している。シロサイの個体数も世界一だ。
ヒューム氏の他に弁護士や保険ブローカーなど、5人が恐喝、詐欺、窃盗、マネーロンダリング(資金洗浄)を含む55の罪で起訴されている。