▽コンゴ最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に東部の最大都市である北キブ州ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
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南アフリカ軍は1日、反政府勢力が支配するコンゴ民主共和国東部から平和維持軍の部隊を撤退させていると明らかにいた。
それによると、部隊は今週初めに撤収を開始し、隣国ルワンダを経由してタンザニアに移動し、そこから飛行機で帰国する予定。
コンゴ最大の反政府勢力M23(3月23日運動)が主導する「コンゴ川同盟」は1月末に東部の最大都市である北キブ州ゴマを占領。その後、東部第2の都市である南キブ州ブカブに進軍、制圧した。
ゴマには国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)の本部と南部アフリカ開発共同体(SADC)の基地があり、郊外の避難民キャンプでは数百万人がテント生活を送っている。
南アフリカ軍の兵士14人が1月にM23との戦闘で死亡。SADCは3月、平和維持任務を早期に終了し、部隊を帰国させることを決定した。
ルワンダ外務省は1日、X(旧ツイッター)を更新し、「ルワンダ軍が平和維持兵の安全な移動を保証する」と書いた。
ゴマに取り残されたコンゴ軍の兵士と警察官数百人も4月30日に移動を開始。ゴマから首都キンシャサに移送された。
欧米諸国はルワンダによるM23への軍事支援を非難。一部の国は援助を停止している。
ルワンダ軍はM23を積極的に支援し、ゴマ市内で堂々と活動中。ゴマ郊外でコンゴ軍と交戦中という情報もある。
アフリカ諸国の調停努力が頓挫する中、カタールは3月、コンゴのチセケディ(Félix Tshisekedi)大統領とルワンダのカガメ(Paul Kagame)大統領を招き、その後、仲介国のアンゴラと共に「即時かつ無条件の停戦」を求める共同声明を出した。
コンゴ川同盟は先月、支配下に置いた北キブ州の要衝ワリカレから部隊を撤退させると表明。国連はこの決定を歓迎し、撤退を機に停戦交渉を加速させるよう促した。
しかし、M23はその後、国軍とその支援民兵がワリカレに攻撃ドローンを送り込んできたと主張。撤退を取り消した。
ワリカレの人口約1万5000人。ゴマの北西約125キロに位置し、第4の都市キサンガニの400キロ圏内にある。
東部4州の主要道路がワリカレを通過する。国軍はこの町を失ったことで、東部4州の主要都市にアクセスしづらくなった。
双方は紆余曲折の末、互いに歩み寄る姿勢を見せ、M23はワリカレから部隊を撤退させたとしている。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、13年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。21年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ、米国、国連安保理はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダは長年、この主張を否定してきた。
1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているものとみられる。ルワンダはコンゴ政府が組織的に大虐殺の加害者であるフツ族を匿っていると主張している。
ルワンダ大虐殺の犠牲者は80万~100万人と推定されている。フツ族の過激派はツチ族だけでなく、フツ族の穏健派も殺害した。
国連はコンゴ国内で活動するルワンダ兵を最大4000人と推定している。
政府とM23による戦争は世界最大級の人道危機に発展。700万人以上が避難を余儀なくされている。
国際社会はこの紛争が1990年代から2000年代の第2次コンゴ戦争のような規模に発展することを恐れている。この戦争では500万~600万人が死亡したと推定されている。
コンゴとルワンダは現在、カタールおよび米国の仲介を受け、和平に向けた協議を続けている。