◎上ナイル州では8月中旬から戦闘が続き、数千人が避難生活を送っていた。
南スーダンの難民キャンプ(Getty Images)

国連は8日、南スーダンで新たな戦闘が発生し、民間人300人近くが死亡した可能性があると報告した。

同国の国連平和維持ミッションは声明で、「新たな戦闘で難民キャンプから火災が発生し、2週間前に設置したばかりの人道施設が破壊され、多くの市民がカヌーやボートで戦地から逃げ出そうとし、溺死した」と述べている。

PKOによると、同国最大の石油産出州である上ナイル州では8月中旬から戦闘が続き、数千人が避難生活を送っていたという。

PKOは、「戦闘は上ナイル州の難民キャンプ近くの集落で7日に発生した」と報告している。

PKOによると、この戦闘で民間人300人近くが死亡した可能性があるという。その多くが溺死したとみられるが、詳細は不明。

南スーダンの国連人道調整官ニャンティ(Sara Beysolow Nyanti)氏は8日、「避難民を受け入れている地域で、このような暴力は許しがたい」とSNSに投稿した。

AP通信は当局者の話を引用し、「救助隊が派遣された」と報じている。

国連は8日の声明で、国際社会に支援を呼びかけた。「暴力から逃れた人々を救うために、速やかに支援を提供しなければなりません...」

デンマーク難民協会(Danish Refugee Council)は現場に向かったが、到着できなかったとツイートしている。

同協会の広報担当はAP通信の取材に対し、「親とはぐれた子供、高齢者、障害者が頼りないボートで川に漕ぎ出した可能性がある」と説明した。

同協会によると、この戦闘から逃れた最大5000人が北部マラカルの国連難民キャンプに今後数日以内に到着する可能性があるという。

しかし、国連PKOはマラカルのキャンプ内でも7日夜に戦闘が発生したと報告した。この戦闘はまもなく収束したと伝えられている。

キール(Salva Kiir)大統領と武装勢力を含む野党グループは2018年、和平協定を結び、内戦を終結させた。しかし、協定の条項はほとんど履行されず、放置されている。

キール氏と政敵のマシャール(Riek Machar)副大統領は今年4月、軍司令部を一本化する協定を結び、3月末に発生した戦闘をひとまず収めた。

しかし、両陣営の武装勢力は独自に活動を続けており、主に地方で戦闘を繰り広げているとみられる。

マシュール氏を支持する武装勢力は元陸軍将校に忠実な別の武装勢力と戦っているようだ。

上ナイル州政府の報道官は8日、戦闘の即時停止と難民への攻撃をやめるよう呼びかけた。

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