◎南スーダンは2011年の独立以来、不安定な状況が続いている。
2020年11月21日/南スーダン、東部の集落(Getty-Images/AFP通信)

南スーダン政府と国連は9日、武力衝突、洪水、干ばつ、国内避難民の増加などにより、南スーダンの住民770万人以上が深刻な食糧危機に瀕していると警告した。

南スーダンの国連人道調整官であるサラ・ベイソロー・ニャンティ氏は声明の中で、「平和の確保に向けた取り組みに移行しなければ、食糧危機は改善されず、事態は悪化するだろう」と警告した。

国連と政府の共同報告書によると、食糧不足が特に深刻な地域は東部のユニティ州、ジョングレイ州、上ナイル州、ワラップ州だという。

世界食糧計画(WFP)の南スーダン担当ディレクターも、「紛争が終結しない限り、この数字は増え続けるだろう」と述べ、紛争当事者と国際社会に行動を呼びかけた。「紛争が続く限り、人々は耕作地に安全にたどり着けず、食料を自給することはできません...」

ニャンティ氏は南スーダンの指導者に平和への道を歩み続けるよう訴えた。

同国のキール大統領と政敵のマチャル副大統領は先週、数週間にわたる対立と交戦の末、軍司令部を一本化する協定と、和平を完全なものにする協議を再開することに合意した。

しかし、合意から1週間も経たぬうちに石油資源の豊富はユニティ州で政府軍とマチャル派の武装勢力が衝突、戦闘に発展した。

キール大統領とマチャル副大統領は推定40万人が犠牲になった内戦を終結させる和平協定に2018年に署名し、統一政府を発足させたものの、権力の共有に関する両派閥の意見の違いを解消することはできず、各地で戦闘が続いている。

南スーダンは2011年の独立以来、不安定な状況が続いている。両首脳は暴力に関与したこと、政治的自由を抑圧し国家財源を略奪したことで国連から批判されてきた。

国連によると、内戦の犠牲者は推定40万人、約400万人が国外避難民になった。

国連は先月末、南スーダンの危機に対処する支援活動を開始し、年末までに17億ドル(約2,100億円)を調達する必要があると国際社会に呼びかけた。

南スーダンの人口の3分の2以上、約900万人が緊急の人道支援を必要としている。

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